電気業界に携わっている方の「憧れの資格」「取得難易度が高い資格」「世間・社内共に一目置かれる存在となれる資格」それが電気主任技術者「通称:電験」です。
本記事では電験の中の1つ、電験二種(第二種電気主任技術者)の難易度を過去10年間の合格率推移から徹底検証しております。
超難関資格として、電気業界に携わっていない方でもその聞いたことがある資格「電気主任技術者」。
- どのような合格率推移になっているのか?
- 果たして難易度はどの程度なのか?
電験二種取得を目指している、興味があるという方はぜひ最後までお読みください。
電験二種の難易度
電験二種は、電験の中でも真ん中のレベルに位置する資格となっております。
いきなり電験二種を受ける人も中にはいますが、本資格を受験する人のほとんどが電験三種を取得している人となります。
しかしながら、それでも合格率が極めて低い国家資格となっているのが事実ですので、”超難関資格”の部類に相当します!
電験二種の試験概要
上の画像を説明していきます。
まず、電験は一次試験と二次試験があります。どちらも学科となっており、電気工事士のように実技試験はありません。しかし、一次試験はマークシートに対して、二次試験は記述式となります。
もちろん一次試験の合格者が二次試験へ進むことができ、どちらも合格しなければ電験二種を取得することはできません。
一次試験の科目は
- 理論
- 電力
- 機械
- 法規
これら4科目。
二次試験の科目は
- 電力/管理
- 機械/制御
これら2科目となっています。
電験二種の一次試験科目
理論
出題範囲
- 電気理論、電子理論、電気計測及び電子計測に関するもの
試験時間
- 90分
問題数・配点
- A問題4問×1問題あたり小問各3点,計15点
- B問題3問(選択問題含む)×1問題あたり小問各2点,計10点
電力
出題範囲
- 発電所及び変電所の設計及び運転、送電線路及び配電線路(屋内配線を含む)の設計及び運用並びに電気材料に関するもの
試験時間
- 90分
問題数・配点
- A問題4問×各3点
- B問題3問×1問題あたり小問各2点,計10点
機械
出題範囲
- 電気機器、パワーエレクトロニクス、電動機応用、照明、電熱、電気化学、電気加工、自動制御、メカトロニクス並びに電力システムに関する情報伝送及び処理に関するもの
試験時間
- 90分
問題数・配点
- A問題4問×1問題あたり小問各3点,計15点
- B問題3問(選択問題含む)×1問題あたり計10点
法規
出題範囲
- 電気法規(保安に関するものに限る)及び電気施設管理に関するもの
試験時間
- 65分
問題数・配点
- A問題4問×1問題あたり小問各3点,計15点
- B問題3問×1問題あたり計10点
電験二種の二次試験科目
電力/管理
出題範囲
- 発電所及び変電所の設計及び運転、送電線路及び配電線路(屋内配線を含む)の設計及び運用並びに電気施設管理に関するもの
試験時間
- 120分
問題数・配点
- 6題中4題を選択×1問題あたり各30点
機械/制御
出題範囲
- 電気機器、パワーエレクトロニクス、自動制御及びメカトロニクスに関するもの
試験時間
- 60分
問題数・配点
- 4題中2題を選択×1問題あたり各30点
ここまでが電験二種の一次試験・二次試験の全ての科目となります。実はこれらの科目、一気に合格しなくても良い制度「科目別合格制度」というのがあります。
科目別合格制度とは
一次試験の際に関係してくる合格制度が「科目別合格制度」です。
電験は、一次試験は科目ごとに合否判定となります。そして合格した科目は以降2年間は申請をすることによって試験免除となります。
これが「科目別合格制度です。」
また、一次試験合格者は二次試験に進めるわけですが、万が一二次試験が不合格となった場合、次回受験の際に一次試験が免除される制度があります。
それが一次試験免除制度です。
一次試験免除制度とは
二次試験には科目別合格制度はありませんが、 一次試験が合格した年度の二次試験に不合格になった場合は、翌年度の一次試験が免除されて二次試験から受験できます。
→ ただし翌年度の二次試験に不合格になった場合は、翌々年度は新たに一次試験から受験。
これらの制度を駆使して電験二種の合格を目指していくわけですが、「合格率はどの程度なの?」電験二種を目指している方、これから目指す方は気になるところだと思います。
そこで次項からは「過去10年間の電験二種合格率」を一次試験・二次試験個別にまとめておりますので、ぜひご覧ください。
過去10年間の電験二種合格率推移
一次試験合格率
年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
令和3年度 | 5,979人 | 1,539人 | 25.7% |
令和2年度 | 6,235人 | 1,695人 | 27.1% |
令和元年度 | 6,915人 | 1,633人 | 23.6% |
平成30年 | 6,631人 | 1,600人 | 24.1% |
平成29年 | 6,570人 | 1,737人 | 26.4% |
平成28年 | 6,521人 | 1,456人 | 22.3% |
平成27年 | 6,418人 | 1,557人 | 24.2% |
平成26年 | 6,676人 | 1,595人 | 23.8% |
平成25年 | 6,452人 | 1,550人 | 24% |
平成24年 | 7,034人 | 1,748人 | 24.8% |
1次試験の平均合格率
『24.6%』
二次試験合格率
年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
令和3年度 | 2,407人 | 413人 | 17.1% |
令和2年度 | 2,512人 | 701人 | 27.9% |
令和元年度 | 2,513人 | 574人 | 22.8% |
平成30年 | 2,624人 | 381人 | 14.5% |
平成29年 | 2,435人 | 329人 | 13.5% |
平成28年 | 2,364人 | 459人 | 19.4% |
平成27年 | 2,406人 | 297人 | 12.3% |
平成26年 | 2,443人 | 350人 | 14.3% |
平成25年 | 2,503人 | 282人 | 11.2% |
平成24年 | 2,249人 | 304人 | 13.5% |
二次試験の平均合格率
『16.65%』
電験二種の難易度考察
電気主任技術者は三種・二種・一種と3つの資格があり、三種を取得することさえ超難関と言われている資格です。
その電験三種よりもさらに上の資格が”電験二種”となるので、超難関です!
独学での取得はかなり難しいです!
合格を目指している方は、独学ではなく通信講座がおすすめ!
通信講座は独学での勉強よりも費用はかかります。「どのような勉強法なのか?」「費用は?」気になるところではありますが、資料請求は無料となりますので、資料で中身を見てから勉強法を自分で考えてみるのがいいかと思います。